スペシャル企画

『ぱちんこ ゴジラ対エヴァンゲリオン セカンドインパクト G』テーマソングマキシシングル「Gathering」発売記念|林原めぐみさん、インタビュー②

更新日:2024/12/23

前回のインタビューでは『ぱちんこ ゴジラ対エヴァンゲリオン セカンドインパクト G』を試打して、その演出やギミックを楽しんでいただいた林原めぐみさん。

インタビュー第2弾は本機の演出に搭載されている、林原めぐみさんの新曲「Gathering」に込められた思いや『エヴァンゲリオン』シリーズの魅力について伺いました。本機を未遊技の方は予備知識として、すでに本機を遊技して「Gathering」を聞いた方は、その時に感じた印象を思い出しながらお読みください。

今を頑張っている人たちにお届けする歌詞に

ーー『ぱちんこ ゴジラ対エヴァンゲリオン セカンドインパクト G』のテーマソングとして描き下ろしていただいた「Gathering」。最初に依頼を受けた時にどんなお気持ちでしたか?

林原めぐみ(以下=林原):私の中では「もう、『エヴァンゲリオン』シリーズの世界観で歌うことはないだろう」と思って前作でシュウケツシリーズを終わらせてしまったので、「今度はカイザーギドラがやってくる」と聞いて「集結」は使えないなと思ってしまったのが正直な気持ちでした。そんな風に考えつつも、サンスクリット語とかヘブライ語とかルーツの言葉を探るという私がやりがちなアプローチを考えていたんです。それで、「あっ、gatherって集まる意味で、『Gathering』だったらGで始まってGで終わるから、ゴジラにピッタリだ」と。

ーーなるほど。たしかにGですね。

林原:そうなんです。それでジャケットでもGをゴジラっぽいフォントに変えて、奇をてらわずにストレートで良いかもしれないという感じで、「Gathering」というタイトルになりました。

ーー作詞については、どのような思いで制作されたのでしょうか。

林原:まずは演出のストーリー、レイとアスカにおける救う対象と救われる対象が(前作とは違って)入れ替わるという話をお聞きしました。それで自分の中で、色々な視線を泳がせてみた時に、世の中がこれだけリアルな戦いが終わらず心苦しい状況である中で、いまいちどゴジラの魅力を振り返ってみました。ゴジラは恐ろしい怪獣で人類の味方でもないけれど、日本人のDNA的にゴジラを愛してしまう部分があって、それは不屈でどんなに負け混んでも完全には負けない部分なのかなと。それで、「Gathering」は、今を頑張っている人たちにお届けする歌詞にしたら良いんじゃないかと思いました。

ーー初期のゴジラは核兵器の恐怖を象徴していますが、平成ゴジラの対決シリーズでは日本を守る怪獣としても描かれていますよね。

林原:ゴジラは時代ごとに人を変え、ハリウッドのように場所を変え、庵野(秀明)さんや山﨑(貴)さんなど監督を変えながら色んな側面を持っていますけど、圧倒的な安心感があるというか、日本の怪獣の底力みたいな武骨さがありますよね。

ーー少し戻りますが、今を頑張っている人たちというのは具体的にどのような人のことを考えていらっしゃるのでしょうか?

林原:例えば受験勉強だったり、部署異動などで新しい環境に置かれたり、自分で選択しているつもりでも自分では抗えないギリギリのところで行動しなければいけない状況でいる人です。ラジオを長くやっていると、後悔することを怖がって行動に移せない気持ちを抱えている子どもたちのメールを目にすることもあって、後悔は動いた証拠だから誇っていいことだと思うと。その後悔があるからこそ次があるわけなので。ゴジラのように倒れても立ち上がり、また倒れても立ち上がる姿とリンクした応援みたいなものを歌詞に載せたいと思っています。

(自身の楽曲を試打中に聞いて)ちょっとだけ恥ずかしかった

ーーありがとうございます。次は楽曲に関してお聞きしたいのですが、いかがでしょうか?

林原:はい。楽曲はいつものタイアップ曲のように作曲を担当したたかはし(ごう)さんがメーカーの方とやり取りをして上げてくださったものになります。バトルの演出で使用されることを想定して、メロディーや構成、アレンジをしてくださった完成版と言って良いものが私の手元に来ています。なので、「じゃあ、これに歌詞をつけて、歌えばいいんだね。」となりますが、毎回(テンポが)早いし(声のキー)が高くて驚きますけど、それもお約束って感じになってきました(笑)

ーー『ぱちんこ ゴジラ対エヴァンゲリオン セカンドインパクト G』を試打して演出中に「Gathering」をご自身で聞いてみて、どんなお気持ちでしたか?

林原:正直に言うと、(自身の楽曲を試打中に聞いて)ちょっとだけ恥ずかしかった(笑)なんか、「こんな素敵なシーンにごめんなさい」って。

ーーいやいやいや(汗)歌詞を読ませていただいて、実機の演出で描かれているレイがアスカを守るために戦うという気持ちを表現されているのかと感じたのですが、林原さんとしてはどのようなイメージで書かれたのでしょうか。

林原:レイというよりも、「エヴァ」に登場するパイロットみんなの気持ちですね。あんなに跳ね返っているアスカも、好き勝手しているように見えるマリも、守る気持ちが根底にあるのは全員だと思っています。もちろん、今回のストーリーを重視して、よりレイやアスカを意識はしたりしていますけどね。

「成功」という名を求めて安心を買いに行くのではなくて、「俺が作りたいものを作った」

ーーぱちんこエヴァシリーズが今年で20年。来年2025年には『新世紀エヴァンゲリオン』の放送から30年になるのですが、「エヴァンゲリオン」という作品がこのように愛され続けている魅力や理由を林原さんはどう思いますか?

林原:来年30年なのね…。こわいわぁ(笑)ご質問はとても難しい質問ではありますが、勝手に私が思うことは、庵野さんを筆頭に「エヴァンゲリオン」に関わった作り手たちが誰にも迎合しなかったってことじゃないかなと。

ーーなるほど。こだわり抜いた作品だからこそ、ヒットコンテンツとして続いていると。

林原:現代のやり方を否定するわけではないですが、「成功」という数字を求めて安心を買いに行くのではなくて、「俺が作りたいものを作った」っていうのを徹底的に出来たからじゃないかと。『シン・エヴァンゲリオン劇場版』はスポンサーが入っていなくて、スタジオカラーのインディーズ映画と呼ばれているんです。メーカーさんや配給会社さんが入って、コンプライアンス的にとか色々と表現にストッパーがかかると思うんですけど、エヴァの作り手たちはそれをしたくなかった。それが、どこにもないエンタメになったのではないかと推察しています。

ーーいま、振り返ってみてもゴールデンで放映されるアニメとは思えないストーリーではありましたね。

林原:当時はギリギリ“アニメは子供のもの”という印象が色濃い中で、最初から槍を突き立てている作品で、「エヴァンゲリオン」は時代をけん引したと思います。そして、そこに関われたということも私にとって光栄なことだと思います。

「エヴァンゲリオン」というエポックメイキングなアニメ作品で、レイを演じ続けた林原さんが、作品を通して感じた思いを形にした新曲「Gathering」。本機を遊技して楽曲を聞いた時に林原さんの思いを思い返し、余暇を楽しんでいただけたらと思います。

2024年12月30日に公開を予定しているインタビュー第3弾では、シングル「Gathering」のカップリング曲「children」について林原さんにお話いただきます。

『ぱちんこ ゴジラ対エヴァンゲリオン セカンドインパクト G』公式サイト

林原めぐみ シングル「Gathering」公式サイト

●プロフィール
林原めぐみ(はやしばら・めぐみ)

3月30日生  東京都出身  血液型O型。高校卒業後、看護学校に通いながら声優を志す。'86年にテレビアニメ「めぞん一刻」の幼稚園児役で声優デビュー。以降、数多くのアニメキャラクターを演じつづけている。また、DJ、歌手、作詞、エッセイ執筆など、幅広く活躍中。

インタビュー第3回へ続く

『ぱちんこ ゴジラ対エヴァンゲリオン セカンドインパクト G』テーマソングマキシシングル「Gathering」発売記念|林原めぐみさん、インタビュー①

『ぱちんこ ゴジラ対エヴァンゲリオン セカンドインパクト G』テーマソングマキシシングル「Gathering」発売記念|林原めぐみさん、インタビュー②

『ぱちんこ ゴジラ対エヴァンゲリオン セカンドインパクト G』テーマソングマキシシングル「Gathering」発売記念|林原めぐみさん、インタビュー③