スペシャル企画

『ぱちんこ シン・エヴァンゲリオン』テーマソングマキシシングル「終結の槍/終結のはじまり」発売記念|林原めぐみさん、インタビュー①

更新日:2023/12/06

人気シリーズ『ぱちんこ エヴァンゲリオン』に欠くことができない楽曲の数々。演出と楽曲が交わることによって起こる興奮や感動は『エヴァンゲリオン』シリーズの特徴とも言えるだろう。

2023年12月18日から稼働する『ぱちんこ シン・エヴァンゲリオン』では、『エヴァンゲリオン』シリーズで“綾波”や“ユイ”を演じた林原めぐみさんが歌詞を書き下ろして歌った「終結の槍」と「終結のはじまり」の2曲が搭載されることとなった。

『ぱちんこ シン・エヴァンゲリオン』の導入が迫る中、林原めぐみさんへのインタビューが決定。4回に分けてお届けする林原めぐみさんインタビュー、その第1弾では林原めぐみさんの手で書き下ろされた新曲「終結の槍」と「終結のはじまり」への想いを伺った。




“あの楽曲”を意識して書き下ろした「終結の槍」

ーーこの度は『ぱちんこ シン・エヴァンゲリオン』へのタイアップを引き受けていただき、ありがとうございます。

林原めぐみ(以下=林原):こちらこそ、ありがとうございます。前作(『P ゴジラ対エヴァンゲリオン ~G細胞覚醒~』)でもタイアップさせていただきましたが、エヴァだけではなくて、ゴジラやキングギドラ。さらには、ゴジラとエヴァが融合すると聞いて、逸脱した世界観にびっくりしました(笑)。あの振り幅から今作は帰ってきた、立ち返れた心情で書き下ろしました。

ーーパチンコのタイアップとして、楽曲のテンポやリズムなど意識された点はありますか?

林原:私自身は「遊技機にどのように組み込まれるのか」までは知らされていないのですが、曲のテンポやキー、リズム感といった曲の構築は作曲を担当される“たかはしごう”さんがメーカーの方々と詰めてくださって、私の元に来る時点で「これで行きます」という状態になっています。私はたかはしさんに絶対的な信頼を置いていて、私から「こうしてほしい」ということはあまりなく、「これが正解」という感じで楽曲が来るんです。遊技機で曲を聴けるのを楽しみにしていただきたいですね。

ーーそれでは、まず「終結の槍」についてお聞きします。タイトルにある「槍」はどのような意味合いを持つのでしょうか?

林原:作詞にあたってメーカーの方から「槍」というワードを使って欲しいとご依頼があったんです。ロンギヌスの槍やカシウスの槍、そしてガイウスの槍。「槍」はエヴァにとって欠かせないカギでもあるので、どのように効果的に、印象的に使うかということを念頭に置きながら、書き下ろしました。

ーーエヴァシリーズの楽曲として作詞には、どのような想いがありましたか?

林原:楽曲が搭載される『ぱちんこ シン・エヴァンゲリオン』は演出の柱が『シン・エヴァンゲリオン劇場版』ということで、あの世界は庵野総監督の出した「1つの答え」であり、そこから何を皆さんが想像して構築されるのかは自由だけれども、「1つの終わり」であり「連なる1つの完結」です。完結した物語に対して、今また新しい曲を歌う。乱暴に言ってしまえば意味がないようにも思えるのですが、歌うからには意味を持たせたい。そう思った時、始まりは「残酷な天使のテーゼ」だったなと。エヴァの中では色んな曲が生まれて、もちろん「魂のルフラン」も素晴らしいんですけど、やっぱりあの曲がエヴァの世界をけん引してきたなと改めて実感して、意識をしました。

ーー具体的に楽曲内では「残酷な天使のテーゼ」をどう意識されたのでしょうか?

林原:私としては「残酷な天使のテーゼ」への感謝だったり、リスペクトといった想いが強くなったんです。あの歌に、何か報いたいなと。それで「残酷な天使のテーゼ」にある歌詞を全部バラバラにして、印象的な言葉を拾って、歌詞に埋め込みました。歌唱が高橋洋子ちゃんじゃなくて申し訳ないけれど、それも一興かなと。

楽曲に隠されたモチーフやエピソードと、謎を解き明かしたいファン

ーー「神話」や「女神」、「宇宙」と書いて「そら」と読ませるなど、随所に「残酷な天使のテーゼ」の言葉がありますね。

林原:「残酷な天使のテーゼ」で始まったエヴァの物語。その物語を私が終結から見て表現したのが「終結の槍」ということになります。

ーーいま初めて歌詞カードを拝見したのですが、「残酷な天使のテーゼ」で使用された言葉は色分けされていますね。

林原:実はシュウケツシリーズ曲目「集結の運命」でも、キャラクターの名前を入れて薄くするという表現をしていました。エヴァをファーストのテレビシリーズから見ているファンもいますけど、 劇場版から遡って見ているファンもいて。大人のファンは少しつまらないのかも知れないのだけど、そういう世代のファンは最初に答えがほしいんですよね。

ーー庵野総監督による壮大で深い「ドラマ」と、そのミステリアスな要素もエヴァシリーズの特徴というか楽しみ方の1つでもあると思います。

林原:本当に探し好きな人たちは歌詞カードと向き合わないで探してくれてもいいけど、 今の子たちにちょっと優しくしようかなと。で、その意図としては「残酷な天使のテーゼ」に向けての感謝をたくさん込めていて、この仕掛けを知ったことで先祖返りしてもらって、「残酷な天使のテーゼ」の歌詞をもう1回噛みしめるチャンスにしてほしいと思っています。そのために、あえて答えを載せる形を取りました。

各キャラクターを思ってつづった「終結のはじまり」

ーーもう1つの新曲「終結のはじまり」にも、エヴァの世界が詰め込まれているようですね。

林原:「終結の槍」が先にできて、その最後の歌詞が「シン・世紀を創めよう」っていう風に、テレビシリーズの新世紀の新しいという字ではなく、「シン」をあえて使っているんですね。終わるから別のことが始まるし、終わりは無じゃないと考えています。「終結」として終わるんだけど、でも集める「集結」としてエヴァのキャラクターを歌詞に登場させています。

ーー「指先から溢れだす旋律」はカヲル君であったりということでしょうか?

林原:そうですね。冒頭の「迎えに行くよ」はマリさんだし、1人になれないのはゲンドウさんだし、束ねた髪を振りほどくのはミサトさんです。通称・黒レイちゃんもいるんだけど、この作品の中にここ(エヴァの世界)で生きてきた子たちをもう一度みんなに思い出してもらいたいという気持ちが込められています。

ーー各キャラクターを出そうと思ったキッカケは何ですか?

林原:『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の劇中歌として『VOYAGER~日付のない墓標~』を歌った時に、ユイさんなりにゲンドウさんを想っていて、この世界全体を許すような気持ちもあることに気付きました。そして、「終結のはじまり」の歌詞を書く時期にフジテレビの『MUSIC FAIR』で歌うために「VOYAGER」を自分の中に今一度取り込んだんですけど、その時に「あっ、これ(キャラクター)全員のことだ」って。「私があなたと知り合えたことを、私があなたを愛していたことを、死ぬまで死ぬまで誇りにしたいから」は冬月さんがゲンドウを迷いながら支えたこと、加持さんとミサトさんもそうだし、シンジくんとミサトさんもそうですよね。

ーー歌詞の1区切りごとにキャラクターが表現されているようですね。

林原:そうですね。分かりやすくは登場させられなかったけど、ヴンダーに乗りながらも迷いながら戦っている若いクルーたちも登場人物全てを入れたかったという思いです。

ーー作詞には時間がかかったのでしょうか?

林原:自分の中で全員入れようって決めたら、わぁっと書き上げた感じです。タイアップのお話をいただいてから実際に楽曲が搭載されるまで時間があるので、「エヴァって、こんな風だったなぁ」とか思い直したり、皆さんからもらったファンレターだったり、歌詞のない楽曲を聴きながら色んなことを感じて、想像を膨らませてはいました。




エヴァの世界で演じられ、その一部でもある林原めぐみさんがエヴァの世界観を歌詞と歌に詰め込んで制作された表現された「終結の槍」と「終結のはじまり」。この新曲には、インタビューではまだ出していない謎があるという。ぜひ、両作をお聴きになられた際には、その謎に挑んでいただきたい。

次回12月10日に公開を予定しているインタビューでは「終結の槍/終結のはじまり」のジャケットなど、ビジュアル面についてお話いただきます。


●プロフィール
林原めぐみ(はやしばら・めぐみ)

3月30日生  東京都出身  血液型O型。高校卒業後、看護学校に通いながら声優を志す。'86年にテレビアニメ「めぞん一刻」の幼稚園児役で声優デビュー。以降、数多くのアニメキャラクターを演じつづけている。また、DJ、歌手、作詞、エッセイ執筆など、幅広く活躍中。

インタビュー第2回へ続く

『ぱちんこ シン・エヴァンゲリオン』テーマソングマキシシングル
「終結の槍/終結のはじまり」発売記念|林原めぐみさん、インタビュー①

『ぱちんこ シン・エヴァンゲリオン』テーマソングマキシシングル
「終結の槍/終結のはじまり」発売記念|林原めぐみさん、インタビュー②

『ぱちんこ シン・エヴァンゲリオン』テーマソングマキシシングル
「終結の槍/終結のはじまり」発売記念|林原めぐみさん、インタビュー③

『ぱちんこ シン・エヴァンゲリオン』テーマソングマキシシングル
「終結の槍/終結のはじまり」発売記念|林原めぐみさん、インタビュー④